君は今日、東京の幼稚園に入園することになった。本当におめでとう。
都会の入園式というものをパパは初めて体験する事になった。記念に、覚えている限りのパパの幼少期の記憶をここの残そう。君も今日の事をパパの齢になったらコメントに残すといい。42年後の事になるが。
パパは北海道の田舎の幼稚園ではなく、「保育所」に入所したのが今から多分42年前の事だ。
所の名前は「和泉保育所」だ。色は塗り替えられているが、Googleマップに当時のまま建物が残っていたから、載せておくよ。
場所は 緯度424235.91 経度1420740.57 だ。
和泉保育所とあるが、別名「和泉生活館」通称「セイカツカン」と集落では呼んでいたんだよ。
40世帯ほどからなるこの集落で、お葬式や子供会、自治会の会合もここで行われた。
周りは林業と農業の兼業か専業が多く、農業が終わるころに母や祖母が自転車で迎えに来た。
今日君が体験した煌びやかな入園式など有ったのだろうか?卒園式みたいなものは写真に残っているので、確認できるがね。
これが悪いとか良いとかではなくてね、パパも毎日キミとお同じく走り回るのが大好きで、出会い頭に他の園児とぶつかって、はじめて鼻がツーンとする体験をしたよ。
都会の幼稚園で、何をするのかはパパは知らない。
大好きだった田舎の保育所ではね、毎日が遠足だったんだ。近所に「動物園」って呼んでいる国立公園みたいなのがあってね、そこには子汚い犬やキジやアヒルまでもがいてね、悠々と池を泳いでいるのを見てパパは感動したんだけど、ゆくゆく大人になって、そこが後輩の家の庭だったことがわかった時、パパはこの世界の狭さを体で感じることが出来たよ。
ハチヤ先生って美人の女性の先生が大好きでね、ずっと先生の足にしがみつき、心を癒していた記憶があるよ。お陰様でパパは女性の足にしがみつくと、ナゼか心がホッとする大人になったよ。(注:やらないけどね)
パパが18歳になった時に、家からバスに乗って1時間のところに有る富川自動車学校に入校した時に、自動車学校の事務のオジサンがパパに話しかけて来てね、「君がGOTA君か!まってたよ!」って言われて、なにかパパは特別な存在なのかと思ったら、そのオジサンはハチヤ先生の旦那さんだったんだよ。お陰様で縁あってハチヤ先生当本人に会うことが出来たんだけど、美人だった筈のハチヤ先生を見て、正直だれだかわからなかったよ。
(先生、もし見てたらごめんなさい、変わらずお奇麗でした♡)
毎日が遠足って言ってたけど、けっこう山奥にある牛のための牧草地帯まで遠足してね。
今考えればスイスの高原みたいな所でお弁当を食べたり写真を撮ったりしたんだよ。草が青々していてね、その匂いが好きだったなぁ。
ちなみにその牧草地帯は今、クマ出没注意で牛も立ち寄らないよ。
でも、都会から見たら何もないけど、パパたち子どもにとったら、必要なものは全部あったんだよね。食べる物も水も、電気も来てるし、車もあるし、受信感度は悪いけどテレビもあったよ。
テレビなんかはね、夏になるとドラえもんが見れなくなるんだよ。ドラえもんのチャンネルはUHFという周波数帯を使っていてね、どうも夏になると電波が悪くなり、見れなくなるんだ。救いだったのはドラゴンボールのチャンネルだけは、UHFだけどギリギリ見れたんだよね。
お陰様で、電波に興味が出て今では無線従事者資格をいくつも持っているよ。ちなみにアマチュア無線のコールサインはJK1QOJだよ。キミがこれを読むころ、パパが天国に居たら、このコールサインで会話できるかもしれないね。っていう映画があるんだよ。
長くなったけど、小さなころ楽しかったよ。
3年経って、今度キミが小学生になったら、また書くからね。
今日、君の晴れ姿を楽しそうに見ているママを見て、パパは幸せだなと感じたんだ。幸せって大切な人が幸せそうにしているのを見て感じる心なのかもしれないね。
どうりで新しいものを買っても買っても幸せと感じられないわけだ。
入園おめでとう。
パパより。